あまり調子よくないんだよね…
ネットサーフィンをしていると、そんな書き込みをよく見かけます。ご自分でセッティングをする自信がない方は、キャブレターの購入からセッティングまで全てショップにお願いしましょう。キャブレターはデリケートな部品ですので、買ってそのまま付けることはおすすめしません。
と、ここで終わってしまってはアレなので、今回はMikuniのTMRとTMR派生のTMR-MJNの話を書きたいと思います。
TMR-MJNからTMRに戻すことは可能なのか?
YOSHIMURAへ問い合わせをしてみたところ、戻すことは可能と回答がありました。
実際戻し作業を依頼しようかと迷っていましたが、その後結局バイクを売却してしまったので検証出来ませんでした。
TMRキャブレターとは
Mikuni社のTMキャブレターの進化版で、主な特徴としてハイパーノズルが実装されました。
図解は以下のリンクを参照してください。
TMR-MJNキャブレターとは
TMR-MINとは、MikuniのTMRキャブレターの内部部品を交換し、ジェットニードル部分に多くの穴を開けたノズル(マルチプルジェットノズル)に交換された、YOSHIMURAジャパンのオリジナル商品です。
TMR-MJNのメリット
買ったままの状態でも(ある程度)走ることができる
マルチプルジェットノズルの穴の大きさや、スロットルの開度による変化で穴の見え隠れによる穴の数の変化から、ガソリン量のコントロールが容易になるため、ノーマルエンジンに限りますが買ったままの状態でもすぐに走り出すことができることは、メリットして上げてよいのではないかと思います。
前述のとおり、キャブレターを買ってそのまま取り付けることはおすすめしません。フロートの高さも合っていない可能性もあります。自分で組まれる方は最低限、フロートの高さの調整や同調をしてください。
見た目がカッコいい
通常のTMRと比較しTMR-MJNは、キャブレター本体はガンコートのブラック塗装、トップカバーは赤色の縮み塗装、ドレインキャップは赤色アルマイトのため、カッコいいです!
ここで詳しい方にはすでにおわかりだと思いますが、もちろんデメリットもあります。
しかしメリットがあるということは、残念ながらデメリットもあります。
TMR-MJNのデメリット
セッティングの幅が広すぎてボヤけてしまう
出荷側である程度の調整やジェットが設定されているので、そのままでも走れるメリットがある反面、キビキビした走りには程遠くなってしまいます。もちろんTMR-MJNを導入し、ある程度のセッティングが必要なのは当然ですが、更に細かい調整はTMR-MJNの最大の特徴であるマルチプルジェットノズルによって、ノズル交換が必要になってしまい、低中速域の調整ができないというデメリットになります。
筆者もデフォルトでついているマルチプルジェットノズルの穴を小さくしたく、他車種のノズルを取り寄せて交換したことがあります。
このノズルは1本5,000円(税抜)するため、4気筒だと20,000円も掛かってしまいます。
これが普通のジェットニードルやニードルジェットがついているキャブレターでしたら、それらの部品の種類は沢山揃っており、きめ細かなセッティングが可能となります。
きめ細かなセッティングができない
一点目と若干被りますが、せっかくセッティングツールのキャブレターを導入したのに、きめ細かな調整が調整ができないということは、そもそもキャブレターというセッティングツールの目的を全うできていないということになります。(YOSHIMURAさんごめんなさい)
TMR-MJNからTMRに戻したい
TMR-MJNのセッティング幅が広すぎて満足できなくなってしまった、可能であれば手持ちのTMR-MJNからTMRに戻したい。
そんな筆者もTMR-MJNからTMRキャブレターに戻したい一人です。
TMR-MJNからTMRへ戻すには、Mikuni正規代理店でしか分解してはいけない部分の部品を交換する必要があります。TMR-MJNにはTMRのハイパーノズルは取り除かれてしまっています。
まとめ
今回はMikuniのTMRとYOSHIMURAのTMR-MJNについて書きましたが、KEIHINのFCRでもセッティングが必要なのは同じです。買った状態でそのまま取り付けても、本来の力の半分も発揮できないでしょう。
自分でセッティングをする自信がない方は、キャブレターの購入からショップにお任せしましょう。
キャブレターはとても高価なパーツです。何でもご自分でチャレンジし、解決する意欲がある方でしたらとても楽しいパーツだと思います。
見た目はカッコよく、しっかり吹ける、回るエンジンになれば、更に楽しいバイクライフが送れるのではないでしょうか。
セッティングは自己責任で!